基本情報
1. 通信社
TPS (Tazpit Press Service)
2011年にイスラエルのジャーナリストアモツ・エヤルによって設立された独立系の非営利通信社。設立の背景には、リアルタイムでイスラエルの現場を世界のメディアに届けるという目的があった。TPSは、イスラエル、パレスチナ自治区、ガザ地区などの現地から写真・映像・記事を収集し、180以上の国際メディアに提供している。NGO(非政府組織)でもあり、特定の個人や団体に所有されていないことが特徴。TPSという名称はヘブライ語の「Tazpit(観測所)」に由来する。
INA (Israel News Agency)
1995年にアメリカ出身のイスラエル在住ジャーナリストのジョエル・レイデンによって設立された通信社。イスラエル政府報道局や首相府、外務省、防衛省などから直接ニュースを受け取り、ウェブを通じて国際社会に情報を提供している。SNS(FaceBook)を拠点としており、実質的なホームページとして機能している。
※リンク先はINAのFaceBook上のアカウント
2.新聞社
Haaretz (ハアレツ)
1918年に設立されたイスラエル最古の新聞社。建国以前から存在し、リベラルな視点から政治や社会問題について深く掘り下げた分析記事を掲載しており、外国のメディアでも度々取り上げられている。またイスラエルの知識層や学術界に大きな影響力を持っている。民間企業であり、最大の株主は創設者のシュオケン家とドイツの新聞社グループ(ドイツの新聞社がイスラエルの新聞社に資本参加したのは2000年以降と比較的最近である)。「ハアレツ」は「土地」を意味する言葉で、ハが英語のザにあたる。
The Jerusalem Post (エルサレム・ポスト)
1932年に『The Palestine Post』として創刊されたイスラエル最古の日刊紙(英字新聞としては)。イスラエル代表する新聞社の一つ。1950年に現在の紙名に変更された。中道右派の立場から、イスラエル、中東、ユダヤ世界のニュースを広く報じている。また月刊誌版『The Jerusalem Post・Magazine』も発行している。
Yedioth Ahronoth (イディオート・アハロノート)
1939年に創刊された、イスラエルで最も発行部数が多い日刊紙の一つ。一般的には中道と見なされているが、歴代の政府、特にベンヤミン・ネタニヤフ首相に対しては批判的な論調を取ることが多い。創刊以来、幅広い層の読者にアピールする為に「大衆紙」としてのタブロイド的な要素を取り入れ、政治、社会、エンターテインメントなど多様なニュースを掲載している。「アハロノート」は「最新の」とか「最後の」といった意味のヘブライ語の複数形。
Maariv (マアリヴ)
1948年に『イディオート・アハロノート』から独立する形で創刊された。当時イスラエル最大の発行部数を誇っていた同紙の編集者アズリエル・カルレバッハが、同社のオーナーとの編集方針をめぐる対立から、多数のジャーナリストを引き連れて独立したことによって誕生した(イスラエルのメディア史における”クーデター”と表される)。かつては右派の読者層に支持されていたが、その時々の所有者や編集者によって、論調は変化しており、近年はより中道的なスタンスを取る傾向にある。「マアリヴ」はヘブライ語で「夕方」や「日没」を意味する(ユダヤ教で毎夕行われる礼拝である「Maariv」の祈りに由来する)。
Israel Hayom (イスラエル・ハヨム)
2007年に創刊された、比較的新しい日刊紙。無料配布というビジネスモデルで急速に発行部数を伸ばし、イスラエル国内で最も読まれている新聞の一つとなった。一般的に右派、特に元首相のベンヤミン・ネタニヤフを強く支持する報道で知られており、その政治的立場から、「ビビ新聞」(ネタニヤフの愛称)と呼ばれることもある。「Israel Hayom」は「今日のイスラエル」。
3.出版社
Calcalist(カルカリスト)
イスラエルの大手経済紙『Calcalist』が発行する週末版マガジン。政治、経済、ビジネス、社会問題に関する詳細な特集記事や分析が掲載されている。
The Marker(ザ・マーカー)
イスラエル国内の経済動向に特化した専門誌。企業、市場、テクノロジーなどの最新情報を掲載している。
4.オンラインメディア
Walla! (ワラ!)
1995年に設立され、イスラエルで最も古いインターネットサイトの一つとして知られている。当初は独立したニュースサイトだったが、その後、通信会社ベゼクなどによる買収を経て、イスラエル最大級のニュースとコンテンツのポータルサイトとなった。「Walla!」は、ヘブライ語で「わお!」や「へえ!」といった驚きや感嘆を表す口語表現で、普及し始めたばかりのネット世界の驚きを表現したものであろう。当初は中道左派寄りであったが、現在では保守化しつつある。
Mako (マコ)
イスラエルのテレビ局「チャンネル12」が運営するオンラインメディア。テレビ番組のコンテンツや動画、エンターテイメント情報を生かし、より若い世代や流行に敏感な層をターゲットにしている。、ヘブライ語で「何が起こっているの?」や「どうしたの?」を意味する口語表現 “Ma Kore?” (マ・コレ?) に由来するとされている。
Times of Israel (タイムズ・オブ・イスラエル)
2012年に創刊された英字のオンライン新聞。国内外のユダヤ人コミュニティや国際的な読者を対象に、イスラエルに関するニュース、政治、分析記事を配信している。多様なコメンテーターの意見を掲載していることも特徴。
5.放送局
KAN(カン)
2017年、旧イスラエル放送局(IBA)の役割を引き継ぎいで設立されたイスラエルの新しい公共放送。ニュース、ドキュメンタリー、教育番組、エンターテイメントなど、幅広いコンテンツをテレビ、ラジオ、オンラインで提供している。商業的な圧力から独立した、客観的な報道を目指している。
Channel 13
オンラインメディア『Mako』を運家するChannel12と並んでイスラエルの主要な商業テレビチャンネル(Channel12,13は共通の歴史を持つ放送局だが、現在ではそれぞれ独立したメディアである)。ニュース、時事問題、エンターテイメント番組に強みがある。特に、調査報道や政治討論番組で知られており、国内のテレビ視聴において大きな影響力を持っている。
Channel 14
政治的には右派寄りの論調で知られる商業テレビチャンネルです。ニュースや時事番組を中心に、保守的な視点からイスラエルの政治や社会問題を報じている。なおChannel12,13,14はそれぞれ当時のイスラエルの放送体制に基づく関連があるが、現在では独立したメディアである。
